デジタルアジャイルになるための戦略


By アナスタシオス・パパドプロス、 IMS 設立者& CEO

堅牢な戦略は、企業のデジタルトランスフォーメーションにとって非常に重要ですが、この戦略を実行に移すことが、決定的な要因となります。企業がデジタル化を目指す際に必ず克服しなければならない課題の1つは、企業内文化の変革です。マッキンゼーの行った調査によると、5分の1の企業が、 企業文化の共通理解欠如をデジタル化の成功の妨げ、4分の1の企業がリスク回避を文化改革の障害と報告しています。

アジャイルビジネスモデルの重要性

その中核となるデジタルアジリティーとは、市場や消費者からの高まるデマンドを探知し、それに応じて適応する組織の能力です。ハーバードビジネススクールによれば、デジタル分野のリーダーである企業は、デジタル採用の進んでいない企業に比べ、粗利益率が高いとしています。敏捷な 企業は、通常、市場への導入スピードの短縮、魅力的なコスト削減、顧客中心のアプローチ、成長のチャンスを見逃さない革新的な環境を享受しています。デジタル化により、より新しく、より機敏なビジネスモデルを持つ業界の新規参入者が、既存の市場にディスラプションを引き起こし、現在、そのような新しい企業からの収入が世界全体の売上高の17%を占めています。

デジタルアジリティが企業パフォーマンスのほぼ50%を占めながらも、8つのデジタル戦略のうち7つが失敗するとされる現在、あらゆる業界、あらゆる規模の企業は、デジタル化への進捗状況を慎重に監視する必要があります。成功を収めるデジタル戦略を実現するためには、企業文化改革の新たな勢いが不可欠です。大きな文化改革を果たすために、デジタル化に必要な要素を、わかりやすく実用的なものに変換する時が来ました。

最高技術責任者(CTO)を任命するだけでは不十分です。いくら有能なCTOであれ、一人でデジタルトランスフォーメーションを成功させる構造変化を起こすことは難しいでしょう。企業は、明確な役割定義、責任体制の強化、また組織内のあらゆるチームからのフィードバックを容易にする為のコミュニケーションプロセスを導入するといいでしょう。.

新たな企業ビジョンを社内で全面的に浸透させることに重点を置く企業であれば、文化的変革の持続的な勢いを保つことはさほど難しくはありません。文化的変革にはトップダウンとボトムアップの双方向のアプローチが必要です。CTOと取締役会の連携強化が、デジタル戦略やビジネス戦略全体の調整を支援するでしょう。

文化的変化の内部要因と外部要因

デジタルエコシステムにおける抜本的な変革を実行するため、専門知識とリソースに富んだストラテジックパートナーと協働することは、企業が展開できるアプローチの1つです。このようなパートナーと企業の協働は、優れたCentre of Excellenceとイノベーションハブを構築し、古い考え方を立て直したり、従来のITやビジネスシステムからの移行を促進します。また、取締役会がデジタルビジョンの実行に必要なIT能力に欠ける場合、社外のパートナーが、戦略を誘導する有力戦力となります。適切なCRMシステムの構築、ビッグデータ分析、プロセスやマーケティングのオートメーション化は、デジタル成長遂行には欠かせない要素ですが、既存の技術構造が新しい戦略に対応できると考える企業は、全体の半数に過ぎません。このような理由で、多くの企業が、アジャイルな外部ITリソースに変革実行を委任しています。

変革を取り入れる環境を育成するために、企業内部で一歩一歩小さな積み重ねをしていくことは、外部パートナーに改革実行を委任するのと同じように重要です。たとえば、従業員によるレビューを採用したり、プロモーションを使用して企業変革にインセンティブを与える。または、経営理念を見直したり、新しく先見的なビジョンを持った、チーム全体が共鳴できる企業方針を導入するなどの例が挙げられます。もう1つの企業内タクティックスとして提案するのは、、エンドツーエンドのカスタマージャーニーを担当するチームを作ることです。様々な部署が参加した小さなチームを形成し、改革に伴う失敗を良しとする。しかし、その失敗はなるべく小さく、そして賢く失敗し、その教訓を改善とイノベーションに役立てます。小規模でアジャイルな企業のように考え、行動することができるため、グローバルで多層的な構造に縛られがちな大企業にとっては、特に興味深い戦略のひとつになるでしょう。

アジャイルなマインドセットを持って、アジャイルになる

マッキンゼーの調査によれば、同じ業界内において、企業業績差異の30%は、デジタル化を目標に抱く企業文化を発展、維持する能力があるかどうかに関わるとしています。企業がアジリティーの新しい時代を築くことにきちんと向き合うことは、適切なソフトウェアソリューションや戦略的パートナーを選択することと同じくらい重要です。適切な企業文化なしに、停滞したビジネスモデルを再構築するのは非常に難しいため、まず最初のハードルは、企業内誰もが新しいビジョンをしっかり理解できるようにすることです。

2018-04-20T11:07:47+00:00